民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。
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「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」など、手塚治虫がうみだしたマンガは七百あまり。手塚治虫の作品には、いのちをたいせつに思う気持ちと、未来への夢がたくさんつまっています。クイズつきで手塚治虫の秘密がわかります。
「マンガの神さま」手塚治虫の伝記です。
家にマンガ本がたくさん置いてあったり、手回しの映写機を買ってもらったりと、かなり裕福な家に育った手塚治虫。環境が人を作ったんだなあとこれを読んで思います。
火星人の絵を描いていたり、天文学に夢中になったり、後にSFを描く素養も幼い頃に育っています。有名なオサムシのことを知ってペンネームに「虫」をつけたエピソードやヒゲオヤジのモデルは今中くんのおじいさんがモデルだったなど、すでに小学生の頃に、後のマンガの仕事につながることが出てきていることに驚きです。
腕を切除しないといけないほどのできものができ、それから回復したことをきっかけに医者を目指します。解剖も実際にやるなど、これも後の「ブラックジャック」を描くことにつながりますよね。そして、医者へはならなかったけれども、マンガを描きながら医学博士の免許をとってしまうというところにも強靭な意志の強さを感じます。
また、上京時のトキワ荘のエピソード、また負けず嫌いすぎて「イガグリ君」をくさしてしまい謝罪するなどのエピソードも人間味が溢れすぎていて大好きです。病床にあってさえマンガを描こうとしたものすごいマンガ愛。「神さま」と呼ばれるべくして呼ばれていると思いました。
一方でアニメーションに対する情熱もものすごく、「バンビを80回見た」とか、国産初のテレビアニメ(「鉄腕アトム」)を作ってしまうとか、伝説エピソードに事欠かない人ですね。ウォルト・ディズニーと話をする場面では、他人ながら「よかったねえ」と思わずにっこりしてしまいました。
伝記を読むと、その人のすさまじい一生に憧れてしまいます。
僕のような凡人にはできない生き方が凝縮されていてすばらしかったです。PR
理想を胸に、ひたすら土を愛し、農家を愛し、人びとの心にふれるたくさんの詩や童話をのこしていった、賢治の崇高な生涯を描きます。
高い理想とどうにもならない現実。その相克と闘い続けた賢治の生涯です。
他人のケガを自分のせいと思い込むやさしさ。他人のランプをひたすらに磨く日々。無料の農学校を開いたり、無償で肥料の相談をする。そんなエピソードを見ると、やはりすごい人だなあと思います。
立身出世よりも自然や文学に馴染んでいく少年時代。
家業の質屋を嫌い、日蓮宗に傾倒していく日々。
それでいて、家業の資金の援助を受けないとなにもできない自分。
理想主義のお坊ちゃん(えなさん)として描かれた賢治の生涯。
作品はたくさん読んだものの、その人生については少しかじった程度だったので、こうして通して賢治の生涯を追ってみると、新たな発見がたくさんありました。特に教師時代の賢治のエピソードは面白く、そこから農民にならなくてはと思い込み、羅須地人協会を設立するまでの思い込んだら一直線の性格など、非常にユニークな人物です。そのユニークさがあるからこそ、あのような独自の世界を創れたのだろうなとも思います。
最愛の妹トシの死、そして自らも東京で倒れ、37歳で死去をする。
自分を捨てて人の幸せのために尽くすことが、ほんとうの幸せにつながるための道であり、それを実践しようとした賢治は、僕の尊敬する人物です。そして、この本には世間の理想化された姿だけではなく、賢治の欠点もたくさん書いてあって、憧れだけではない親しみも彼に持つことができました。
この本の中で紹介されている宮沢賢治の弟さん、宮沢清六さんの「兄のトランク」という本もとても読みたくなりました。