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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『おもしろくてやくにたつ子どもの伝記6 宮沢賢治』西本鶏介文

理想を胸に、ひたすら土を愛し、農家を愛し、人びとの心にふれるたくさんの詩や童話をのこしていった、賢治の崇高な生涯を描きます。


 高い理想とどうにもならない現実。その相克と闘い続けた賢治の生涯です。

 他人のケガを自分のせいと思い込むやさしさ。他人のランプをひたすらに磨く日々。無料の農学校を開いたり、無償で肥料の相談をする。そんなエピソードを見ると、やはりすごい人だなあと思います。

 立身出世よりも自然や文学に馴染んでいく少年時代。
 家業の質屋を嫌い、日蓮宗に傾倒していく日々。
 それでいて、家業の資金の援助を受けないとなにもできない自分。
 理想主義のお坊ちゃん(えなさん)として描かれた賢治の生涯。

 作品はたくさん読んだものの、その人生については少しかじった程度だったので、こうして通して賢治の生涯を追ってみると、新たな発見がたくさんありました。特に教師時代の賢治のエピソードは面白く、そこから農民にならなくてはと思い込み、羅須地人協会を設立するまでの思い込んだら一直線の性格など、非常にユニークな人物です。そのユニークさがあるからこそ、あのような独自の世界を創れたのだろうなとも思います。

 最愛の妹トシの死、そして自らも東京で倒れ、37歳で死去をする。
 自分を捨てて人の幸せのために尽くすことが、ほんとうの幸せにつながるための道であり、それを実践しようとした賢治は、僕の尊敬する人物です。そして、この本には世間の理想化された姿だけではなく、賢治の欠点もたくさん書いてあって、憧れだけではない親しみも彼に持つことができました。

 この本の中で紹介されている宮沢賢治の弟さん、宮沢清六さんの「兄のトランク」という本もとても読みたくなりました。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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