映画「紅の豚」の原作である「飛行艇時代」や飛行機の解説、監督へのインタビューなどで構成されたムック本。
『宮崎駿の雑想ノート』から映画の原作である「紅の豚」を抽出した一品。
元々は大塚康生さんの紹介で模型雑誌に連載されていたこともあり、飛行機の模型を作成する様子だったり、飛行機史が掲載されていたり、飛行機関係にマニアックな本となっています。
原作と劇場版アニメーションとの比較を行っていたり、コアなファンには楽しいのではないでしょうか。模型雑誌だけに機体の特集だとか、専門用語だらけで難しいところはあります。
劇中のセリフでカーチスの機体が「シュナイダーカップ」で云々というところがあったと思いますが、そのシュナイダー杯や飛行艇史の詳細が載っていて、
史実だったんだ・・・と驚きがあります。
また、『雑想ノート』の自作解説もあり、「そういう作品あったねえ」という気分にもなりました。「多砲塔の出番」はぜひアニメーションで見てみたいです!
宮崎さんの言葉で、「作った人間の葛藤とか、それを作らせた国の経済とか技術水準とか、頑固さとか先進性とか、それを作った人間の作戦苦闘とか歓喜とかいうのを空想しないと飛行機の面白さというのは本当にはわからないと思うんですよ。」という言葉があって、ああ、
まんま「風立ちぬ」だなと思いました。そういえば、飛行機史の中では「カプロニ」という名のついた機体も載っていました。
ポルコ・ロッソの愛機サボイアS21は、小学生の時に見た1枚の写真を元にしたということで、すごい記憶力と再現力だなあと思います。
本編でカットされたシーン(ジェット機を追い抜くサボイアとコクピットにいるちょっとシュッとした人物)のセル画もあり、ちょっと興奮。
また、島尾敏夫の「出発は遂に訪れず」をアニメーションにできないかと考えてきたというのを読んで、
作りたいものがたくさんある人だなあと、また驚かされてしまいました。
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