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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『南から来た男 ホラー短編集2』 金原瑞人編訳

好評ホラー短編集第二弾。緊迫感あふれるロアルド・ダールの表題作をはじめ、スティーヴンソン、ウェルズ、ブラッドベリ、デ・ラ・メア、フォークナーらによる、英米ホラーの傑作11編を収録。訳者によるポーの翻案をふくむ、全編新訳。


 英米の文豪の傑作を読めるシリーズ第2弾。
 第1弾よりも、楽しんで読みました。
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ネタバレしてます。

『木はえらい イギリス子ども詩集』谷川俊太郎/川崎洋編訳

「詩」といっても、かたくるしくありません。現代の子どもたちの学校や家庭でのなにげない日常生活を、気どらず、ユーモラスに描きます。6人の詩人(アールバーグ、ローゼン、パテン、ライト、ミリガン、マッガウ)の楽しい72編。


 好きです、こういうの。
 どの詩人の作品にもユーモアがあって、ニヤリとしてしまいます。
 そして、イラストもなんだかコミック的でいい感じ。

 アラン・アールバーグの作品は笑えます。
 「なんで学校に行かなきゃならないの」では、困ったお父さんの顔が思い浮かんできますし、「父母懇談会」では、誰もが嫌気がさしているのに吹き出します。「出席をとります」では、出席のために呼名する中に、マーガレット・サッチャーみたいに歴史上人物が出てきたり、ドラキュラ透明人間が出てきたりして面白い。また、その呼名に対するツッコミもあり、お気に入りです。

 マイケル・ローゼンの作品では、「知ってるぜ」が好きです。ああ、こんなこと自慢してたなあ、とか、チャレンジしてたなあ、というのが盛りだくさん。「肘に十円玉乗っけてそれをキャッチ」とか、そういう今考えればばかばかしいものに昔はみんなチャレンジしてましたよね!
 「列車に乗って」「ラブソング」などは打って変わってドキッとしてしまいました。

 ブライアン・パテンの作品はパンク・ロックを思わせる。
 「規則」では、きらいな規則があったら「大口で叫ぶんだ!」と結ぶ。なんだか、ブルーハーツの「チューインガムをかみながら」が頭の中で流れてきた。「学校病」や「ひとこと言いたいことがある」がお気に入り。

 スパイク・ミリガンは自分でつけた挿画がふざけててすてきです。
 そして、詩の内容はナンセンス。笑っちゃいます。

 ロジャー・マッガウもパンク・ロック調かな?
 「良い詩」の思想には賛成です。そして、最後の「もしおれが詩だったら フットボールをするね そしてイングランド代表さ」は最高です。「これが授業というものだ」はやり過ぎのようにも思えますが、メッセージとしては一番伝わるものとなっていて、おすすめ。ただ、賛否両論だろうなあ。「大試合」は季節の移り変わりをそうやって表現するか!という単純に賞賛の気持ちになりました。楽しい!

 とにかく、元気の有り余っている子におすすめしたい。君の共感できるものがここにはあるよ!って。久々に少年時代に戻れたような気になった一冊でした。

『ぬけ穴の首 西鶴の諸国ばなし』 廣末保 (岩波少年文庫)

財産争いをめぐる悲喜劇「牛と刀」、夜の芝居小屋で起きる怪談「真夜中の舞台」、金もうけに取りつかれた男の運命「わるだくみ」など、笑いと悲哀がまざりあった世の姿を、鋭く描き出す7編。江戸時代の作家、井原西鶴の作品を読みやすく翻案。


 いやあ、なかなか面白い。
 夢中になってしまい、思わず一駅乗り過ごしてしまうくらいでした。

 井原西鶴の作品を翻案したもので、構成されている短編集。
 けっこう強烈なキャラクターの出てくる話が多く、どことなく話の感じが西日本的です。
 東京風の洗練された漫才・コントよりも、関西系のアクや毒が強い傾向とでもいったらいいでしょうか。


ネタバレしてます。

『少年の魔法のつのぶえ ドイツのわらべうた』 ブレンターノ/アルニム編 矢川澄子/池田香代子訳 (岩波少年文庫)

旅まわりの職人、家事手伝いの娘たちなど、庶民の口から口へ伝えられたドイツ語圏の民謡を紹介。子どもの暮らしにまつわる代表的なわらべうたを収録したドイツのマザーグース。


 なかなか戸惑う内容の前半と愛と物語で面白く感じる後半、という印象でした。

 ドイツの昔の庶民の生活感情が伝えられているということで、現代の日本の感覚を持っている僕には共感も憧れもできないような感じでした。

 そして、戸惑う詩も多く、特に「おんどりちゃんとめんどりちゃんのこわい話」は印象に残ります。「おんどりちゃん」がくるみを喉につまらせて、「めんどりちゃん」が助けるために大わらわするのですが、結局「おんどりちゃん」は死んでしまいます。その亡骸をお墓に運んでいく途中できつねや狼やライオンなど、たくさんの動物を車に乗っけるのですが、その重みで車は沼に沈み込んでいき「そこが、そのままお墓になった。」という詩なのです。
 どことなく、馬車に乗った人間全員が死んでしまう、横光利一の「蝿」を思い出すような不条理な話になっており、読んでびっくり、「ええ?」という感じでした。

 第一部は「こどものうた、くらしのうた」、第二部が「さまざまな愛のうた、ものがたりのうた」となっており、第二部はロマンチックな恋愛の歌やメルヘンチックな詩も多く、こちらは素直に楽しめました。「内緒ばなし」などがよかったです。

 各国の「わらべうた」に俄然興味が湧いてきました。
 読んでカルチャーショックをまた受けてみたいですね。

『最初の舞踏会 ホラー短編集3』 平岡敦編訳 (岩波少年文庫)

好評クラシックホラー傑作選、フランス編。残酷な童話のような味わいのカリントンの表題作をはじめ、ペロー、ルブラン、メリメ、モーパッサン、シュペルヴィエルらによる、不気味で美しい短編15編。本邦初訳2編をふくむ、全編新訳。


 面白かった!
 フランスのホラー短編集。文豪の作品もあり、勉強にもなりました。


ネタバレしてます。

プロフィール

HN:
A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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