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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『木はえらい イギリス子ども詩集』谷川俊太郎/川崎洋編訳

「詩」といっても、かたくるしくありません。現代の子どもたちの学校や家庭でのなにげない日常生活を、気どらず、ユーモラスに描きます。6人の詩人(アールバーグ、ローゼン、パテン、ライト、ミリガン、マッガウ)の楽しい72編。


 好きです、こういうの。
 どの詩人の作品にもユーモアがあって、ニヤリとしてしまいます。
 そして、イラストもなんだかコミック的でいい感じ。

 アラン・アールバーグの作品は笑えます。
 「なんで学校に行かなきゃならないの」では、困ったお父さんの顔が思い浮かんできますし、「父母懇談会」では、誰もが嫌気がさしているのに吹き出します。「出席をとります」では、出席のために呼名する中に、マーガレット・サッチャーみたいに歴史上人物が出てきたり、ドラキュラ透明人間が出てきたりして面白い。また、その呼名に対するツッコミもあり、お気に入りです。

 マイケル・ローゼンの作品では、「知ってるぜ」が好きです。ああ、こんなこと自慢してたなあ、とか、チャレンジしてたなあ、というのが盛りだくさん。「肘に十円玉乗っけてそれをキャッチ」とか、そういう今考えればばかばかしいものに昔はみんなチャレンジしてましたよね!
 「列車に乗って」「ラブソング」などは打って変わってドキッとしてしまいました。

 ブライアン・パテンの作品はパンク・ロックを思わせる。
 「規則」では、きらいな規則があったら「大口で叫ぶんだ!」と結ぶ。なんだか、ブルーハーツの「チューインガムをかみながら」が頭の中で流れてきた。「学校病」や「ひとこと言いたいことがある」がお気に入り。

 スパイク・ミリガンは自分でつけた挿画がふざけててすてきです。
 そして、詩の内容はナンセンス。笑っちゃいます。

 ロジャー・マッガウもパンク・ロック調かな?
 「良い詩」の思想には賛成です。そして、最後の「もしおれが詩だったら フットボールをするね そしてイングランド代表さ」は最高です。「これが授業というものだ」はやり過ぎのようにも思えますが、メッセージとしては一番伝わるものとなっていて、おすすめ。ただ、賛否両論だろうなあ。「大試合」は季節の移り変わりをそうやって表現するか!という単純に賞賛の気持ちになりました。楽しい!

 とにかく、元気の有り余っている子におすすめしたい。君の共感できるものがここにはあるよ!って。久々に少年時代に戻れたような気になった一冊でした。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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