カレル・チャペック、手塚治虫、アイザック・アシモフ、矢野徹、古田足日、星新一、ジェリー・パーネルなど、ロボットに関する短編を収録。
ロボットをテーマとしたアンソロジー。
オールドなSFが多く、心地がよい。
○カレル・チャペック「ロボットという言葉はどのように生れたか」
「ロボット」という名称はいかにして誕生したか。生みの親のチャペック自身が語る。
ついにロボットというものが身近になりつつある昨今。その起源、発想の最初がどこにあるのかを知ることは大切だと思いました。
○アイザック・アシモフ「ロビイ」
グローリアは子守りロボットのロビイが大好きだった。しかし、母親はロビイとグローリアを引き離そうとし、ロビイは会社に引き取られていく。グローリアは・・・。
ロビイから引き離されたグローリアのようすが哀れで健気です。それに応えるラストのロビイの行動は感動的でした。
○手塚治虫「火の鳥 復活編 RD3009」
旧式になりつつある「ロビタ」というロボットの一体が、行夫の遊び相手だった。ところが、父親が母親そっくりのアンドロイドを購入して・・・。
ロボットの方が人間より精神的に純粋、というものを手塚治虫作品ではよく読む気がします。しかし、壮大なストーリーです。
○矢野徹「フレンドシップ2」
貸しロボット屋にあるサルベージ用ロボットが夜中にかってに動き出すことを主人が発見した。ロボットの記憶を見てみると・・・。
題名の通り、友情の物語です。なにか、SFの皮をかぶった昔話のような感じで読みました。
○古田足日「アンドロイド・アキコ」
科学者だった「父おや」は娘をなくし、娘そっくりのアンドロイドを造った。彼女は月に行くことを望み、そこで彼女は・・・。
ラストを読むとジェンダーの問題も含んでいるような気もします。年齢に合わせて造り変えるというのは、お父さんたいへんだったろうな・・・。
○星新一「宿命」
ロボットたちは、その星にいた。自分たちの存在に疑問を持ちながらも、込み上げる宇宙に出るという衝動に身を焦がされながら・・・。
星新一らしい、乾いた皮肉に満ちたラスト。これぞ星新一だなあという読後感です。
△ジェリー・パーネル「未来世界の構築」
ジェリー・パーネルの語る未来世界構築術。
特にロボットでもないし、なぜここに入れたのだろうと終始疑問を抱きながら読みました。
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