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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『少年の魔法のつのぶえ ドイツのわらべうた』 ブレンターノ/アルニム編 矢川澄子/池田香代子訳 (岩波少年文庫)

旅まわりの職人、家事手伝いの娘たちなど、庶民の口から口へ伝えられたドイツ語圏の民謡を紹介。子どもの暮らしにまつわる代表的なわらべうたを収録したドイツのマザーグース。


 なかなか戸惑う内容の前半と愛と物語で面白く感じる後半、という印象でした。

 ドイツの昔の庶民の生活感情が伝えられているということで、現代の日本の感覚を持っている僕には共感も憧れもできないような感じでした。

 そして、戸惑う詩も多く、特に「おんどりちゃんとめんどりちゃんのこわい話」は印象に残ります。「おんどりちゃん」がくるみを喉につまらせて、「めんどりちゃん」が助けるために大わらわするのですが、結局「おんどりちゃん」は死んでしまいます。その亡骸をお墓に運んでいく途中できつねや狼やライオンなど、たくさんの動物を車に乗っけるのですが、その重みで車は沼に沈み込んでいき「そこが、そのままお墓になった。」という詩なのです。
 どことなく、馬車に乗った人間全員が死んでしまう、横光利一の「蝿」を思い出すような不条理な話になっており、読んでびっくり、「ええ?」という感じでした。

 第一部は「こどものうた、くらしのうた」、第二部が「さまざまな愛のうた、ものがたりのうた」となっており、第二部はロマンチックな恋愛の歌やメルヘンチックな詩も多く、こちらは素直に楽しめました。「内緒ばなし」などがよかったです。

 各国の「わらべうた」に俄然興味が湧いてきました。
 読んでカルチャーショックをまた受けてみたいですね。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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