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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『少年探偵 魔人ゴング』 江戸川乱歩 (ポプラ文庫クラシック)

銀座の夜空いっぱいに広がった巨大な顔。それはとてつもない事件の前触れだった。明智探偵の美しい少女助手、マユミの身に危険が迫る!


 少年探偵団に新たな仲間が加わります。花崎マユミという明智探偵の姪でこの後の作品でも活躍しています。「おねえさま」と団員に慕われますが、このマユミさんが狙われるのです。巨大な顔と巨大な音で登場する「魔人ゴング」です。






 その後、マユミの弟俊一が、池の中に巨大な顔が浮かぶのを目撃したり、電柱のそばにうずくまっていた怪物が誘拐予告をしたりします。小林少年をマユミの身代わりとして誘拐させることで、マユミは難を逃れます。敵のアジトについた小林少年、犯人から「ごちそうは食べさせてやるからな」と言われるものの、出てくるのがパンと牛乳(当時はごちそうだったのでしょうか?)で、ちょっと笑ってしまいました。その後、小林少年は正体がばれ、ピンチに陥ってしまいます。この後、小林少年はブイの中に閉じ込められて、川に流されてしまいます。けっこう瀕死の状態まで追い詰められていて、この場面はドキドキしてしまいます。

 一方、弟の俊一君はさらわれてしまい、石膏のライオン像の中に閉じ込められているところを発見されます。しかし、まあ、チンピラ別働隊は、生きる力に満ちていますねえ。
 隅田川の底にあったはずの敵のアジトがいつまでも発見されませんが、明智探偵はその正体が潜航艇であることを見抜きます。そして、「ある犯罪者が小型潜航艇で、隅田川をあらしまわったことがある。ちゃんと、前例があるのだ」と意味深なことを言います。もっとも、読者には犯人が誰だかわかっているのですが、お約束ですよね。

 舞台は、田舎に移って、そこで一戦交えた明智探偵とゴング。ゴングは逃亡しますが、花崎邸に現れ、姉弟が潜んでいる防空壕に侵入しますが、かえってそこに閉じ込められてしまいます。そして、水がそこに流れ込み、ゴングは水攻めに遭ってしまうのです。しかし、このシリーズ、数えたらどのくらいの水攻めが出てくるのでしょうね?もちろん、小林君の水攻めに対する明智探偵の優しい復讐なのです。

 なんとか地上に這い出したゴングを明智探偵と警官隊が待ち構えていました。
 「きみのやることは、いつでも子どもだましだよ。」と明智探偵は声をかけ、謎解きをした後で、いつもの「きみは怪人二十面相だっ!」というセリフを言うのです。二十面相は一時は逃げ出しますが、人質と探偵団員の用意した人形を間違えてしまいジ・エンド。再び牢獄につながれ大団円となりました。

 ゴングのまやかし自体は、たいしたことではないのですが、女性団員が新たに加わったりと、新味も加わった巻でした。 
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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