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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『スタジオジブリ作品関連資料集Ⅳ』スタジオジブリ責任編集(徳間書店)

劇場ポスター、チラシをはじめ、企画書や制作会議資料など、実際の映画制作と公開に携わる多数の資料を収録。「紅の豚」「海がきこえる」他、日本テレビのCM「そらいろのたね」「なんだろう」の資料を収集。

 今回は、「紅の豚」「海がきこえる」などなどです。

 広告コピーなどが好きなので、JALと「紅の豚」のタイアップポスターの「飛べば、見える」という糸井重里さんのコピーには「さすがだなあ」と思ってしまいます。前売券や機内でもらえるグッズなんかを見ると、欲しくなっちゃいますねえ。ちなみに、僕は「紅の豚」のトートバッグやハンカチ、タンブラーを愛用しています。

 宮崎監督のインタビューで「人間は年をとり、中年になると豚になるんです(笑)」と答えているところがあり、笑ってしまいました。中年になった今、その気持ちがすごくわかります。

 関連出版物を見て、宮崎監督と加藤登紀子の対談集「時には昔の話を」も読みたくなりました。関連書籍がいくつもあるので、これまたじっくり読んでみたいものです。

 また、「夕刊フジ」でまるまる「紅の豚」を特集した「夕刊ブタ」も見物で、宮崎監督の授業風景なんかもあり、楽しかったです。

 ちなみに、イタリアのロケハンの名簿には「押井守」という名前があるのですが、あの押井守監督ですよね、たぶん。どんな役割を担ってこの旅に同行しているのか、気になるところです。

 「海が聞こえる」は、小説は読んだことはあるけれども、映像作品は見ていないかな?
 近藤勝也さんの絵がやはり印象的ですね。今度、見てみようっと。

 次の巻が関連資料集の最後になるみたいです。「ぽんぽこ」と「耳をすませば」の2つなので、楽しみです。
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山本二三『山本二三百景』

スタジオジブリ作品の美術を数多く手がけた山本二三さんの画集。
 ジブリ作品は優れた背景美術に支えられていて、その絵をじっくり見ることができるのは眼福です。

 1枚目が「ルパン三世」、「さらば愛しきルパンよ」に登場する高円寺上空の光景です。
 ファンにはたまらないじゃないですか。

 高畑勲監督作品の「じゃりン子チエ」、「火垂るの墓」の背景がもあり、世界観を構築するのは、こういったディティールの細かい絵の力もあるのだなあと改めて思います。

 宮崎駿監督作品では、「天空の城ラピュタ」の絵に興奮します。「荒廃したラピュタ」「墓標と巨木」などの廃墟の絵はたまらないですね。同じく「千と千尋の神隠し」の「時計塔の中」やジブリではないですが、「ニモ」の「パレス」にも同じ魅力を感じます。

 しかし、やはり一番は「もののけ姫」の「シシ神の森」です。特に(6)とナンバリングされた絵は神がかかった美しさだと思います。描かれたご本人も「自分の棺桶に入れてほしい」とおっしゃったそうなので、気に入れられているんですね。すごい絵です。
 「もののけ姫」ラストシーンの再生したシシ神の森もいいです。

 それ以外では、「時をかける少女」の「踏切」の絵もすごく解放感があって、部屋に飾っておきたい一枚です。また、長崎にはよく行くので、長崎の絵には反応してしまいましたし、かねてから五島へは行ってみたいと思っていたので、いつかは五島へ行って山本二三美術館を訪ねてみたいですね。

 ジブリ作品を支える背景美術について、もっと知りたくなってきたので、今度は男鹿和雄さんの画集なども観たくなってきました。久しぶりに「ジ・アート・オブ」シリーズもめくってみよう。

『スタジオジブリ作品関連資料集Ⅰ』 スタジオジブリ責任編集 (徳間書店)

映画がスクリーンに映し出されるまでの膨大な資料の数々。もう一つの「風の谷のナウシカ」と「天空の城のラピュタ」。


 今回は「風の谷のナウシカ」と「天空の城ラピュタ」です。
 どちらも、幼い頃の記憶に刻み込まれている作品です。

 「ナウシカ」の新聞での評を読むと、何度も「女性原理の優位」なる言葉が登場します。
 この時代の思潮なのだろうなと思いながら読みました。時代の色が鮮明に表れていて面白いです。久しぶりに原作版が読みたくなってしまいました。

 「ラピュタ」では、小説版の挿画がカラーで見開き1ページに並べられており、小説版も熱心に読み込んだ身としては、とてもうれしいところ。
 また、タイアップ商品の「ライトフルーツソーダ 天空の城ラピュタ」は、ぜひ飲んでみたかった・・・。公開当時、僕は3才。きっと、口にしたことはないでしょう。
 関連出版物に掲載されている「天空の城ラピュタ大百科」も読んでみたいなあ。関連出版物には掲載されていないものの、アニメージュ文庫で「ラピュタ」のゲームブックがあったような気がするのですが、記憶違いでしょうか?それとも、なかったことにされてるのかな?
 新聞記事では、四方田犬彦のラピュタ評が一番読みごたえがあって面白かったです。
 また、「ヤングジャンプ」の記事のプレゼントコーナーで「ラピュタノベルティプレゼント」として、Tシャツやステッカーなどが掲載されているのですが、めっちゃほしい!と思ってしまいました。

 子どものときの衝撃というのは、なかなか忘れられないもので、未だに「ナウシカ」と「ラピュタ」に魅了され続けている僕。関連情報、資料を追ってしまうのもファンの性ですよね。それだけにこの本はたまらない1冊でした。

『スタジオジブリ作品関連資料集Ⅲ』 スタジオジブリ責任編集

企画原案、制作レポート、プレス・シート、オリジナル・イラスト等、初公開の内部資料を始め、映画がスクリーンに映し出されるまでの貴重な関連資料を集大成。「魔女の宅急便」「おもひでぽろぽろ」を収録。


 『魔女の宅急便』『おもひでぽろぽろ』という比較的女性向けの二作品が収録されている資料集です。宣伝も女性をターゲットにしていて、そのあたりを見るのが興味深いです。この二作品でスタジオジブリ作品は国民的人気を獲得したのでしょうね。子ども向け・アニメファンのためではない、一般の人向けの映画という認識です。

 『魔女の宅急便』の制作では、当初、若手監督・脚本家の起用をするはずが、最終的には宮崎駿さんが、監督をしちゃうという経緯があり、そこも驚きです。白羽の矢が立った人物は今や有名なアニメ監督になってらっしゃいます。

 『魔女の宅急便』当時の「ミセス」という雑誌のインタビューで宮崎駿監督は、自分が感動した漫画のことを話していて、これが興味深い。そこに諸星大二郎の名前が挙げられていて、諸星ファンの僕としては、とてもうれしかったです。『孔子暗黒伝』『オンゴロの仮面』の二作品が挙げられています。もちろん、「漫画の神様」手塚治虫の名前も挙げられています。

 『おもひでぽろぽろ』では、多くのタイアップが行われており、ミシンメーカーやカゴメとのタイアップ広告など、時代性が感じられて楽しいです。プレスコ方式の説明や紅花畑の写真、そして高畑勲監督のこだわりぶり!作品を作り込んでいく過程が見えて、今度見るときはまた別の見方ができそうです。

 そういえば、この二作品、主題歌もすばらしいですよね。ユーミンの「やさしさに包まれたなら」、都はるみの「愛は花、君はその種子」。今日はこの曲をかけて寝ることにします。

『となりのトトロ』 詩・中川李枝子 絵・宮崎駿

数々の賞を受賞し、日本中を感動の渦に巻き込んだアニメ映画『となりのトトロ』。その原作者でもあり、脚本・監督を担当した宮崎駿の絵と、いやいやえんぐりとぐらなどで著名な児童文学作家の中川李枝子の詩が、なつかしくもあたたかい世界をかたちづくっている。


 宮崎駿監督自身の絵に、『ぐりとぐら』などの作品も書いている中川李枝子さんが詩をつけています。読後にとてもやさしい気分になれました。

 それにしてもトトロというのは、初めて目にしたときには、絶対に「なんだかよくわからないもの」に見えるはずです。なんたって、「おばけ」・「ばけもの」なのですから。そういった新鮮な感覚を、この絵本で読むと得られることができました。映画で見たようなストーリーはなくて、ここにはトトロやススワタリやネコバスとの暮らし・日常があって、トトロという作品のすばらしさを改めて感じます。

 特に大好きなのは、「姉と妹」という詩です。
 メイとサツキ。それぞれの立場から描かれる二人の姿があり、最後に何年経っても姉は姉、妹は妹、「あきらめて なかよくしよう」と結ばれていて、なんだか微笑ましいです。

 「さんぽ」は中川李枝子さんの作詞ですが、その詩も載っています。
 ただし、2番以降はぜんぜん違い、そこだけ読めただけでも、よかったなあと思います。もっとたくさんの生き物が出てきて、元気に満ちています。

 巻末の見返しには、おそらくトトロのいる大楠の木の現在の姿であろうものが描かれています。道路やマンション、住宅に囲まれて天高くそびえています。
 その姿を見ると、「このへんないきものは、まだ日本にいるのです。たぶん。」というコピーが、またまた胸に静かにしみこんできます。

プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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