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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『わらしべ長者 日本民話選』木下順二作 赤羽末吉画 (岩波少年文庫)

昔から人びとの間に語りつがれてきた民話を、その語り口をいかして再話。おなじみの「かにむかし」「こぶとり」「彦市ばなし」をはじめ、味わいぶかい「天人女房」「あとかくしの雪」など22編を収める。(背表紙紹介より)



 作者は『夕鶴』という戯曲で有名な木下順二。
 挿画は『スーホの白い馬』などの赤羽末吉。
 なつかしい世界観です。

 いろんな種類の楽しいお話があり、民話というのは口承のエンターテイメントであるのだなと改めて感じました。

 たんすの中に田んぼが広がっている「見るなの座敷」、鳥や獣の声を聞くことができる「ききみみずきん」、透明人間になることのできるかくれみのの登場する「彦市ばなし」。
 現代のファンタジーやSFにも通ずるようなイマジネーションがあり、とても楽しいのです。

 また、昔話には地方地方によって、さまざまなバリエーションがあります。私の知っている「三年寝太郎」は村を水害から守る話だったと思いますが、この本の中の寝太郎はただただ己の「楽してもうけたい」という欲望に忠実な若者です。また、「天人女房」では、羽衣を来て天へ帰った天女の妻に、「ジャックと豆の木」のようにへちまのつるをつたって会いに行きます。こういった自分の知っているお話と違うぞ・・・というところも楽しみのひとつでした。

 私の住んでいる九州地方の民話も多く、「~たい」「~ばい」などのことばが、たいへん生き生きしてとしていて、味わい深い語り口となっています。

 「今の子どもたちには難しいかなあ」と思いつつも、「ぜひ読んでもらいたいな」とも思う作品でございました。ちなみに、僕の一番のお気に入りは、「わらしべ長者」。最後までひょうひょうとしている若者のキャラクターが最高です。
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プロフィール

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A・T
年齢:
41
性別:
男性
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1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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