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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『タイムマシン』 H・G・ウエルズ作 金原瑞人訳 (岩波少年文庫)

19世紀末のイギリス。タイムマシンの発明家が、友人たちを前にして信じられない体験を語り始めた。80万年後の世界では、人類は「地上人」と「地下人」に二分されているというのだ・・・・・・。SF小説の元祖ウェルズの代表作。



 何度読んでも面白いもの。それが「名作」です。

 西暦80万2071年の世界へ、タイムマシンを発明した男はたどりつきます。
 そこには、美しい地上人「エロイ」が暮らしています。子どものような知性のかわいらしい人々で、彼らの描写には微笑ましいものを感じます。

 そして、彼らの存在があってこそ、もう一つの人類の子孫たち、「モーロック」の奇怪さが際立つのです。地上の光を怖がり、闇の中で暮らす存在。『ガリバー旅行記』のヤフーや『指輪物語』のゴラムの姿を、僕は思い浮かべました。

 ウェルズの言葉は、現代の僕にもかなり迫ってくるものがあります。

 「完璧に調和した世界に住んでいる動物は、機械となんら変わるところがない。(略)多くの必要と危険に直面した動物だけに、知性が芽生える。」

安穏と欲望の機械化をしないように、現代人として気をつけないといけないな、とハッと我に返る瞬間がありました。

 そんな難しいことを考えなくても、十分に楽しめる作品ですので、お読みになっていない方はぜひ。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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