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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『ペロー童話集』 天沢退二郎 訳 (岩波少年文庫)

ドイツの「グリム童話集」と並んで有名な、フランスのお話集。「眠りの森の美女」「赤頭巾ちゃん」「青ひげ」「長靴をはいた猫」「サンドリヨン(ガラスの靴)」「巻き毛のリケ」「おやゆび小僧」「ロバの皮」「おろかな願い」など10編。




 いやあ、何回読んでも面白く、衝撃的な物語の数々です。

 ほかの童話より、どぎつく皮肉の効いていて、大人の世界をかいまみることができる作品集です。

 後半部に人喰い鬼の王女が登場する「眠れる森の美女」は、ディズニーのアニメ版しか知らない人は驚くでしょうし、「赤頭巾ちゃん」で赤頭巾が狼に食べられたままで終わってしまうことに衝撃を受ける人もいるでしょう。特に「青ひげ」を読んでいて、すさまじいサイコサスペンスだなと思いました。現代のエンターテインメントに通じるものもたくさんあって、人類の想像力の原点がここにあるのだなと感じます。

 他メディアで知っている作品を、原話で読んでみると味わい深いものです。逆に「長靴をはいた猫」などは、東映動画の傑作アニメーション映画があるので、ぜひ見てみてほしいと思います。若き日の宮崎駿さんが参加していたり、井上ひさしさんが脚本を書いていたり、とっても楽しい作品です。

 天沢退二郎さんが訳をしていらっしゃっていて、ひじょうにやさしく読みやすいものになっています。河出文庫で澁澤龍彦版も読んだことがありますが、どちらもすばらしく味わい深いですね。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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