忍者ブログ

ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『今昔ものがたり』杉浦明平 (岩波少年文庫)

大どろぼうの話、いもがゆの話、大きな鼻の和尚さんの話、命知らずの武士の話、きつねや化け物との知恵くらべ・・・・・・。「今は昔」と語りつがれ、平安時代の人びとの生活と心をいきいきと伝える『今昔物語集』から、ふしぎで面白い39話。



 古典はとても面白い。
 そして、古典を読んでいて一番面白いのは、説話集です。

 全1059篇の中から、子どもたちにより抜きの39話をお届けする作品集になっています。
 珍しいお話、不思議なお話など、読んでいて「そんなことあるの?」という感じのものが多いのと、時代がおおらかなのか、今だとコンプライアンス的に引っかかるよねということもあり、時代の違いによる文化的なギャップに驚くことができると思います。

 一番好きなお話は、第一話目に置かれている「悪人往生」。
 乱暴者の男が急に仏の道に入り、往生する話ですが、その一途さに心打たれます。口の中から茎が伸び、そこから花が咲くというラストには鮮烈な視覚性があり、おもわずハッとしてしまいました。

 芥川龍之介の「鼻」や「芋粥」の原型となったお話もあり、「羅生門」に登場する蛇を魚と偽って売っていた女の話も登場します。

 生き生きとした人間たちの営みに、さまざまな発見のある物語集でした。
PR

コメント

コメントを書く

お名前:
タイトル:
文字色:
メールアドレス:
URL:
コメント:
パスワード:   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

カテゴリー

最新記事

RSS

リンク

P R