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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『日本古典のすすめ』 岩波書店編集部編 (岩波ジュニア新書)

「古典なんて古くさいし、姿勢を正して読むなんて窮屈だ」と思い込んでいませんか? この本では『万葉集』から『雨月物語』に至る日本の代表的古典14篇の魅力と面白さ、味わいを、それぞれの第一線の研究者が縦横に語ります。通読すれば、自ずと日本人の「物の考え方」や日本文化の特色も通観できる、絶好の古典文学入門。


 「おー、これは面白そうだ—」という作品にいくつもぶつかることができる本でした。
 でも、中高生には難しそうだなというのが、正直な感想です。

 一般的な古典やその著作に対するイメージと実際とのずれを語られているものも多くその面白さや、純粋に作品の魅力がどこにあるのかを述べるものもあって、古典への知識をつけたり、日本人がなにを楽しんできたかという歴史を知ることができたりします。

 特に面白そうだと思う作品は、江戸期に多く、完全にエンターテインメントに徹している西鶴の『好色一代女」は、とんでもない筋のとんでもない作品だと思いました。近松門左衛門の『冥途の飛脚』も実録物の映画が好きだったりするので、実際の事件をモデルに描いた作品で、絶対に面白い。『雨月物語』もかつて読んだことがあるのですが、「浅茅が宿」は、筋を読んでいるだけでも面白い。再挑戦してみたいですね。

 また『閑吟集』にも興味を持ちました。
 書き手の方の文章が、読み手をきちんと捉えていて、わかりやすくその魅力を伝えてくれました。著者紹介のところにある本の題名(『百鬼夜行の見える都市』『室町お坊さん物語』)も面白そうで、ぜひ読んでみたくなりました。

 また、説話文学も大好きなので、ダイジェスト版は読んだことのある『今昔物語集』にもいつか挑戦してみたいし、面白いと思いながらも途中で放り出してしまった『平家物語』も通読してみたい!

 とにかく古典の面白さを再確認できる本でした。
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『10代の本棚 こんな本に出合いたい』 あさのあつこ編著

作家のあさのあつこさんをはじめとする13人の個性豊かな大人たちが綴る「10代の私」と「本」の物語。10代という多感な時期にどんな本に出会い、どんな出来事にこころ揺さぶられながら大人への階段をのぼってきたのか。その頃の心情やエピソードも交えて語ります。あなたのこころに響く一冊にきっと巡り合えるはず。

 「みなさん、強要されて本を読んではいけません。」

 「はじめに」にあるこの一節が大事だと思います。
 僕も強要されていたなら、こんなに本が好きではなかったはずです。
 (むしろ「読むひまがあるなら、もっと有益なことをしろ」みたいな言葉が逆にモチベーションになった気がしています。)

 執筆陣の中に幼い頃に夢中になって読んだ名探偵夢水清志郎シリーズを描いたはやみねかおるさんもいて、目次を開いたときにうれしかったです。

 読みたくなった本をメモ代わりにここに記しておくと、

 小田実「何でも見てやろう」
 庄司薫「赤頭巾ちゃん気をつけて」
 アーシュラ・K・ル・グウィン「影との戦い」
 モンゴメリ「赤毛のアン」
 山田詠美「蝶々の纏足・風葬の教室」
 アーサー・ランサム「ツバメ号とアマゾン号」シリーズ
 トラヴァース「メアリー・ポピンズ」シリーズ

特に女の子向けという作品については、読んでこなかった傾向が僕にはあるので、「赤毛のアン」は男性が薦めてくれているので、読んでみたいですね!筋が紹介されて、読みたくなったのは、「蝶々の纏足」。こういった心理の機微を描いた作品というのもすばらしそうです。

 本が好きな人には共感することのできるエピソード、心に残る人生の一場面がそれぞれの執筆者の書かれているものにはあって、読んでいて人生の勉強にもなるなと思いました。

 僕の前にはまだまだ肥沃な読書の農地が広がっていると思える一冊でした。
 さらに読みたい本が増えました!

『ラフカディオ・ハーン 日本のこころを描く』 川島弘美 (岩波ジュニア新書)

『怪談』の著者小泉八雲ことラフカディオ・ハーン。彼ほど深く日本人の心を見つめ描いた外国人はいない。ギリシア生まれの彼になぜ、14年間の日本滞在でそのようなことができたのか。彼に影響を与えた多彩な人びととのエピソードを交えながらその足跡をたどり、紀行文や日本論を読み日本を見つめ直す旅に出よう。


 小学校のときに、『怪談』を読んで以来、小泉八雲の作品が好きです。
 熊本へ旅行へ行ったときには、夏目漱石や小泉八雲の住んだ家を訪ねたりしました。

 この本を読んで驚いたのは、八雲は原話をそのまま紹介していると思っていたのですが、創作部分が多々あると知って驚きました。
 たとえば、「むじな」では単に恐ろしい顔だったのが、のっぺらぼうに変わっていたり、「耳なし芳一」の話は元の話より、かなり長くなっているということです。

 それにしても、ラフカディオ・ハーンという人は数奇な運命をたどっています。
 ギリシア、アイルランド、アメリカ、日本・・・。
 さまざまな国へ行き、さまざまな経験をした著者が最後にたどり着いたのが日本だということが、我々にはうれしいですね。

 また、日本人の妻セツさんとの仲睦まじい様子にも感動します。
 映画になりそうなお話です。

 さまざまな小説家がいますが、生き方そのものに憧れを抱く素敵な作家ですね。

『短編小説を読もう』 阿刀田高 (岩波ジュニア新書)

とにかくおもしろい芥川龍之介、こんな文章を書けたらすごい志賀直哉、目を見張る設定の中島敦。子どものとき落語全集と銭形平次捕物控で短編のとりこになった著者は、好きな小説を読みあさっていく。自らの体験を通じ、また短編の作り手の視点から、ぜひ触れてほしい作品をすすめる。


 本の楽しさ、そして短編小説の魅力を教えてくれる一冊です。

 本は楽しいから読む。そのスタンスに大賛成です。


ネタバレしてます。

『この本、おもしろいよ!』 岩波書店編集部編 (岩波ジュニア新書)

各界で活躍している本好きのみなさんに、話題のベストセラーや人気沸騰中のライトノベル、長く読み継がれてきた古典的名作など、とっておきのお薦めの本を紹介していただきました。青春小説、恋愛小説、歴史小説、ファンタジーなどジャンルはさまざま、きっとあなたの心に響く本に出会えます。


 読んでみたい本を、いくつか見つけました。
 ありがとうございます!という感じです。

 そして、この手の本を読むときには、紹介された本をすでに何冊読んでいるかも気になるものです。



ネタバレしてます。

プロフィール

HN:
A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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