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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『短編小説を読もう』 阿刀田高 (岩波ジュニア新書)

とにかくおもしろい芥川龍之介、こんな文章を書けたらすごい志賀直哉、目を見張る設定の中島敦。子どものとき落語全集と銭形平次捕物控で短編のとりこになった著者は、好きな小説を読みあさっていく。自らの体験を通じ、また短編の作り手の視点から、ぜひ触れてほしい作品をすすめる。


 本の楽しさ、そして短編小説の魅力を教えてくれる一冊です。

 本は楽しいから読む。そのスタンスに大賛成です。





 とっかかりやすい短編から、本の魅力を若い人に伝えたい。そんな思いが伝わってきます。

 芥川龍之介や志賀直哉などの古典的名作からホームズやポーの小説などのミステリ、中島敦の不思議な味わいや松本清張の人生の諸相を描いた作品など、さまざまな作品が紹介されています。

 もっとも読みたくなったのは、牧逸馬の『世界怪奇実話Ⅰ~Ⅳ』。実話ものは好きなので、ぜひ読んでみたいものです。書かれているエピソードのひとつひとつが「えー、ホント?」という内容で、興味深いのです。

 志賀直哉の「赤西蠣太」は読んだことがあったものの、登場人物が海産物の名前と指摘されているところで初めて気が付きました。名作、と呼ばれているので、そんな仕掛けがあるのに気が付かなかったのです。

 また、ショートショートの項では星新一の功績が讃えられていて、深く深く肯きました。

 さて、著者は子どもの頃に愛読していて、何十年も触れることのなかった本を読むと、いろいろな記憶がよみがえってくるとご指摘されています。そして、若い頃に愛読書を見つけていると、それを読み返したときに、「あのころをもう一度生きる喜びに遭遇する」と記しておられます。
 まったくもって、その通り。子どもの頃に読んだ本を再読すると、あの頃の思いや匂いや感覚がよみがえってきて、たまらない気持ちになるんですよね。

 またまた、読みたい本が増えました。あとは、読む時間が欲しいと思う今日この頃です。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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