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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『あやうしズッコケ探検隊』 作・那須正幹 絵・前川かずお (ズッコケ文庫)

太平洋を漂流したすえ、無人島にたどりついたわれらがズッコケ三人組。この島には、なんとおそろしい人くいライオンがいるという。


 シリーズの中でもっとも読み返した作品です。

 今回は漂流記です。
 漂流譚は、一時期意識的に読んでいました。
 『ロビンソン・クルーソー』は当然のこと、『蝿の王』や実際に漂流をした人の体験談など、よく読みました。「生き延びるために何をすべきか」という人間の生の原点に返る魅力が、そこにはあると思います。もしも、自分が無人島に流されたら・・・というのは、よくある、そして、とても魅惑的な妄想ですよね。






 2週間という短い間ではありますが、サバイバルをする小学生3人組。
 ハチベエが狩猟をし、ハカセが生活の知恵を出し、モーちゃんが味へのこだわりを見せるなど、3人組のキャラクターに合わせた役割分担もバッチリです。ユリの根を食べるために採集したり、釣りや貝をとったり、僕たちの中に眠っている原始への欲求を満たしてくれます。

 途中、ライオンとの遭遇からストーリーが動き出します。これも「食べられる」ことへの原始の恐怖みたいなものが表れていて、3人組のサバイバルに緊張感を加えています。ライオンとの闘いが後半の楽しみのひとつです。

 最終的に、流れ着いた島は大分県の島だと判明するのですが、そこには老人が一人で暮らしていました。戦争で家族をなくし、一人で暮らしている。老人の歩んできた人生にも思いを馳せてしまいますし、人にはいろいろあるのだな、というのが、子ども時代にこの本を読んで学んだことの一つです。

 シリーズ中でもっともオススメの一冊です。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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