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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『雪女 夏の日の夢』 ラフカディオ・ハーン作 脇明子訳  (岩波少年文庫)

明治期の日本をこよなく愛し、小泉八雲と名乗ったラフカディオ・ハーン。日本の不思議な物語を題材とした短編「耳なし芳一の話」「雪女」をはじめ、新鮮な日本の印象をつづった「東洋の土をふんだ日」などの随筆も収録。


 不思議で怖いお話エキゾチックな日本を感じられる作品集です。





 特に面白い作品の感想を。

「耳なし芳一の話」
 何度読んでも衝撃的な作品。
 クライマックスのシーンでは思わず叫び声が出そうなほどです。怪談の最高峰にある作品でしょう。ほんとうに読まないと損です。
 平家の亡霊のお話で、舞台は山口県の壇之浦。昨年、下関に行ったので、地理的にも親近感があります。舞台となった赤間関にも、このコロナの状況が収束すれば行ってみたいですね。

「雪女」
 雪女に魅入られた巳之吉という男の話。
 冒頭、一緒にいた老人を殺してしまう雪女ですが、「・・・・・・おまえはきれいね、巳之吉」と雪女に言われ、殺さずにいてもらいます。このことを話せば殺してしまうと脅される巳之吉ですが、数年後、つい気を許した妻には話してしまいます。この女が雪女であり(まあ予想はできるのですが)、命を取られるはずだったのですが、結局許してしまう雪女。ここに夫婦の「」というものを感じてしまい、心が打たれるのですね。そして、雪女の去り際の美しさ。単なる怪談ではない美しさというものが物語を奥深くしています。

 「神々の集う国の都」「夏の日の夢」
 民話の収集や紹介が楽しい随筆になっています。松江の七不思議って結局なんやろ?と気になります。

 他にも「食人鬼」「果心居士の話」「伊藤則資の話」など、とにかく不思議で怖い。不思議で怖い話は楽しいのです。

 解説には原典の紹介もあり、ぜひ原話も読んで比較してみたいものだと思いました。
 とても面白いので、ぜひ読んでみてほしいなあと思う作品集です。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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