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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『アーサー王物語』 阿刀田高・文 絵・加藤直之 (痛快 世界の冒険文学)

6世紀のイングランドに、理想の国ログレスがあった。この国を統べるのは強く気高い王アーサー。これは王を中心に、騎士たち、魔法使い、美女などが活躍する英雄たちの伝説である。王の伝説は現在も続いている。


 この年まで、アーサー王の伝説は、いろいろな文章でかじってはいて、断片は知っているものの、読んだことがありませんでした。読んでみると、とても興味深く面白い物語でした。

 小学生の頃にはまったゲームで、ゲームボーイの「SaGa」というシリーズがありました。そのゲームには、さまざまな武器が登場するのですが(レオパルドⅡという戦車や「かくばくだん」といういろんな意味で危ない武器もありました)、エクスカリバーという武器があり、これが最強の武器でした。それが、アーサー王の持ち物だとは知ってはいたものの、湖の姫より授かり、自らの傷を癒すなどの魔力があることまでは知りませんでした。RPG好きにはたまらない本じゃないでしょうか。





 巨人や龍を倒す怪物退治譚や、騎士が呪いを受ける話、魔術師マーリンの予言など、ドラクエでおなじみのストーリーが展開されるのを読むと非常に楽しいのです。もちろん、元ネタはこちらなのでしょうが、こういった逆転した読み方も面白いものです。

 一番印象に残る話はトリスタンとイゾルデの話でしょうか。
 貴人の流離譚、龍退治、ロマンス、そして悲恋。
 一つのエピソードの中に、さまざまな物語的要素が組み込まれており、とても読み応えのある章になっています。吟遊詩人として登場するトリスタンはかっこよすぎです。

 緑の騎士のエピソードも色っぽい話、騎士にかかった呪い、騎士道精神など、オチもついていて面白い話になっていました。ラーンスロットのお話では聖杯伝説について語られており、これも興味深い話で、詳しく大人向けの本も読んでみたくなってきました。

 RPGやファンタジーが好きな人はぜひ読んでほしい本でした。
 そして、加藤直之さんはSF好きにはおなじみのイラストレーターです。
 挿画もとても雰囲気があって、物語のイメージをふくらませてくれました。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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