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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『ホビットの冒険』J.R.R.トールキン作 瀬田貞二訳 (岩波少年文庫)

ひっこみじあんで、気のいいホビット小人のビルボ・バギンズは、ある日、魔法使いガンダルフと13人のドワーフ小人に誘いだされて、竜に奪われた宝を取り返しに旅立ちます。北欧の叙事詩を思わせる壮大なファンタジー。


 すごい読みごたえ!
 「ゆきて帰りし物語」という副題がついている通り、行って帰ってくるだけの物語なのに、どうしてこんなにすごいのだろう。

 『指輪物語』も『ホビットの冒険』も、かつて読んだことはあるし、映画も見ているのですが、何度読んでも見ても面白いことに感動です。

 引っ込み思案で背の低い僕は、ビルボに感情移入して読むことができました。
 13人のドワーフと魔法使いと小人族の「忍びの者」が一人の旅。
 竜に独占されたかつての自分たちの宝物を取り戻しに行く旅
 筋をきくだけでワクワクしてきます。





 読んでいてくすりと笑えるユーモアがそこかしこに散りばめてあって、最初にドワーフが続々と現れ、どれも似たような名前に笑ってしまいます。そんなに覚えられません・・・・・・と思っていたら、長い間、読んで旅をしていると最後には覚えてしまっているんですよね。不思議です。

 トロルやゴブリン、竜など、恐ろしくも魅力的な怪物たちが登場するのも、物語の魅力です。
 そして、ホビットやエルフやドワーフなどの人間とは違う人々も。

 トロルとの戦い、ゴブリンとの戦いなどを通じて、成長していくビルボの姿がかっこよく、自分もともに成長したような気分になれます。そして、あの指輪を手に入れるシーンもゾクゾクします。ゴクリとのなぞなぞ合戦。どうやって、この窮地を乗り越えていくのかと難題が降りかかる度に、主人公と一緒に一喜一憂してしまいます。

 大ワシやツグミ、カラスなどとコミュニケーションがとれ、助けられるなどの場合も楽しいですね。半獣人ビヨルンは、すごく魅力的なキャラクターです!対して、人種間というか民族間というのか、そのあたりは争いが多く、森のエルフにはドワーフたちが拘束されるし、ドワーフと人間たちは戦争までもう一歩までくるし、醜い争いが多いのです。最終的に、ゴブリンの大群がこなければどうなっていたのでしょうね?

 竜との攻防戦も楽しく、どうやってこの最強の敵を倒すのだろう?とイメージがまったくわきませんでしたが、まさかの展開で、そこでやられてしまうのか、とか、あっさりやられすぎだろ、とか思いましたが、たしかにビルボとドワーフたちでは、どうしようもできなかったなあと展開に納得してしまうのです。

 また、いつか読み返せば、また楽しいんだろうなあと思ってしまう、稀有な本でした。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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