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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『SFセレクション3 宇宙の孤独』 赤木かんこ編

手塚治虫、ジョン・ウィンダム、クライブ・ジャクスン、ロバート・リード、フレドリック・ブラウンなど、スペース・ホラーを集めた1冊。

 オールドなSFからマンガ、90年代のSFなど、バラエティに富んだ構成になっています。途中までホラーを集めたものだとわからなくて、戸惑いましたが、各作品、なにかしらドキドキするものとなっていました。





◎手塚治虫「安達が原」
 ある惑星に殺し屋として乗り込んだ男。そこでは、何隻もの宇宙船が連絡を絶っており、「魔女」が住んでいるという・・・。

 複雑なストーリー構成の作品。日本の古典をモチーフにしながら、それをうまくSFに換骨奪胎している。手塚治虫の腕の見える作品。

△ジョン・ウィンダム「強いものだけ生き残る」
 事故を起こした宇宙船。生き延びなければならなくなった状況の中で、夫に付き添い宇宙に出た一人の女がいた。

 あまり楽しめなかった要因の一つに、時代の流れによる女性観の違いがあります。女性は宇宙に出るべきではないという冒頭から、なにか受け入れられないものがありました。そして、ラストも、現在、妻が身ごもっているので、生理的に受け入れられなかったですねー。ウィンダム大好きなんですけど。

△クライブ・ジャクスン「ヴァーニスの剣士」
 追手に迫られる剣士と女王は必死に戦うが・・・。

 そもそもこの手のSFファンタジーを読まないので、このラストもさっぱりわかりませんでした。元ネタがわからないとパロディはつらいですね。

◎ロバート・リード「棺」
 「棺」と呼ばれるライフスーツに身をゆだねて宇宙旅行に旅立った男。宇宙船の事故で、男は棺とともに宇宙を旅し続けることとなる。

 いやあ、面白い。棺桶に乗せられて、無限の宇宙をあてどなく漂う。その想像にやられます。ライフスーツはお喋りもしてくれるし、音楽も流してくれる。自由はないが快適・・・なのかな?ラストも振り切れていてすてきです。

〇フレドリック・ブラウン「緑の地球」
 クルーガーⅢ星で生き延びざるを得なくなったマックギャリー。彼は地球の「緑」を再び目にすることを夢見ていた・・・。

 読んでいてつらい気分になる作品です。
 後半、精神の平衡を失ったマックギャリーの行動に「えー・・・」と思いつつ読んでいました。前半、銃をぶっ放すところは爽快なんですがねえ。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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