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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『もののけ姫』宮崎駿 (徳間書店)

ひたむきで一所懸命なもののけと、けなげで一途な姫の愛の物語。宮崎駿監督が1980年に描きためた90枚以上におよぶオールカラーのイメージボードをもとに、迫力ある絵物語が展開! 1997年夏公開の映画『もののけ姫』の初期設定版。


 映画とは大違いだ!

 1997年公開時に中学生だった僕が、劇場で見て、たいへん衝撃を受けた『もののけ姫』の原作。ということですが、映画につながるものはほとんどありません。
 その当時からずっと読みたかった作品だったので、読み終えて感無量です。





 世界の民話の影響を感じさせるストーリーです。
 助かるために、怪物と娘の結婚を約束する。心優しい末の娘がそれを了承する。怪物は呪いをかけられた人間である。真実の姿を映す鏡が登場する・・・など。それだけでもわくわくできますよね?

 時代背景はやはり室町時代あたりなのでしょうか。中世様式のお城や戦争が描かれていて、こういった背景を読み解いていくのも楽しいです。途中で出てくる森であったり、巨大な亀が登場するところには、後の映画『もののけ姫』に通じるところを感じます。製鉄所もでてきます。
 新しいお城の中の様子は、『千と千尋の神隠し』の油屋の内部のようです。

 もののけの姿は大山猫のようです。なにかのインタビューで、『どんぐりと山猫』について、宮崎さんが言及していたように記憶しているので、そういったイメージがあったのでしょうか。このもののけもハンググライダーのようなもので空を飛び回り、やはりトトロを思い出してしまいます。ネズミの引く橇みたいなものに乗っているのも楽しいですね。

 ヒロインは宮崎ヒロインという感じで、芯の強い清らかな女性です。三番目のお姫様(の姫)です。悪霊に憑りつかれて、変化していく父親を元に戻そうとする健気なところも応援したくなります。ただし、内面の複雑さといったものは感じないので、そういう点では、やはり映画のサンのほうが魅力的なキャラクターだと思いました。

 映画の企画用のイメージボードを編集したもので、絵はかなりラフです。
 「ロマン・アルバム」や「ジ・アート・オブ」などで、宮崎監督のイメージボードなどを見慣れていて好きな人にはたまらないでしょう。

 これを踏まえて、もう一度、『もののけ姫』を見返してみようと思いました。
 また、なにか新しい発見ができそうです。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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