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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『ズッコケ時間漂流記』作・那須正幹 絵・前川かずお (ズッコケ文庫)

四次元の空間を漂流して、江戸時代の世界にやってきたわれらがズッコケ三人組。はたしてそこにはどんな事件が?


 美人音楽教師にピアノを習おうというハチベエに付き合わされて音楽室にやってきたハカセ、モーちゃん。そこにあった鏡を突き抜けて行った先に行き着いたのは、江戸時代でした。

 今回はタイムスリップもののSFです。
 時間旅行ができるなら、一番会いたい人は誰でしょうか?
 今回は、三人組と平賀源内という歴史上の人物の出会いの物語です。





 発明家、文芸家、起業家、学者・・・などさまざまな顔を持つ平賀源内。
 三人組が未来から来たということを理解するには、なるほどうってつけの人物です。

 未来から来たことを示す証明に、三人組は飛行機の模型と三輪車を作成します。パンツのゴムを利用して作ったゴム動力の飛行機は江戸の空に舞い、江戸っ子たちを喜ばせたり戸惑わせたりします。未来の技術に驚く江戸の人たちの様子になぜか現代人の僕は誇らしくなってしまうのです。

 しかし、その後、役人に目をつけられている平賀源内は岡っ引きを殺してしまい、三人組は伴天連妖術を使ったとして、お縄になりそうになるのです。しかし、そのとき、小型のヘリのようなものが現れ、三人組は助かります。

 全体的に、80年代SF!という印象です。
 『時空の旅人』とか『時をかける少女』とか、タイムスリップを扱ったSF映画が頭をよぎります。美人の若林先生。放課後の音楽室。学園ものSFの懐かしい感じが、この小説にも漂っています。

 眉村卓や筒井康隆のジュブナイル小説が好きな人は、この雰囲気だけでも酔うことができると思いますし、その中で三人がどんな活躍を見せてくれるかわくわくできると思います。今回も、とても楽しい読後感でした。

 また、歴史を見る目というものの面白さを味わうことのできる小説だと思います。
 特に田沼意次という人物について、「新しい考え方をもつ人物」という見方で語られています。どちらかというとそれまで悪いイメージであった田沼に新しい光を当てて描いているところも作者の真摯な姿勢が見えて好感が持てるところです。
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プロフィール

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A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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