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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『三銃士』(上・下) アレクサンドル・デュマ作 生島遼一訳 (岩波少年文庫)

田舎からパリにやってきた若き騎士ダルタニャンは、さっそく王と枢機卿が争う宮廷の陰謀にまきこまれてしまう。ダルタニャンは、親友となった三人の騎士とともに、命がけで、イギリスへわたった王妃のダイヤをとりもどそうとする。


 血沸き肉躍る大活劇

 まずは、世界史的な知識が乏しいので、歴史的背景を理解するのに苦労しましたが、あんまりものを考えていない王様と陰謀を巡らしている枢機卿とかわいそうな王妃様がいることがつかめると、物語もどんどん読み進みました。





 ダルタニャンはガスコーニュ出身の血気盛んな若者。
 彼の友情と冒険と悲恋と出世の物語です。

 幼い頃に祖父に買ってもらった『世界児童文学全集』で読んだことがあります。『三銃士』や『ロビン・フット』の冒険物語にはわくわくしたものです。

 ダルタニャンという名前の響きがすばらしく、一度覚えたら声に出していいたくなります。
 そして、アトス、ポルトス、アラミスの三人の友人。理知的、見栄っ張り、女好き・・・などキャラクター設定がみごとで、登場人物を簡単に愛してしまえます。

 さて、お国と時代が違えば、こんなに価値観も違うのか・・・ということを学べるのも、名作古典の楽しみですよね。
 フランス人の恋愛観は、日本人とはまったく違うのですね。
 まず、フランスの王妃はイギリスのバッキンガム公に夫がいながら恋焦がれています。そして、主人公ダルタニャンもボナシゥ夫人という夫がいる女性に恋をしてしまうわけです。現実の日本だったら徹底的に叩かれてしまう恋愛ですが、フランスはこの方面に関してはかなり自由だとなんとなく聞いているので許されるのでしょうね。

 敵役はミレディーという女で、英仏間で枢機卿の指示の下、暗躍します。
 実は昔、アトスの妻であったという衝撃の事実。こういったご都合主義的と現在なら批判されそうな展開が逆に新鮮で、次はどうなる?と思いながら楽しく読みました。

 サン=ジェルヴェー砦での一戦など、アクションシーンも満載で、なかなか飽きさせることのない作品でした。抄訳ということですが、完全版もまた読んでみたいものです。デュマの作品には、『モンテ・クリスト伯』という有名な作品があり、こちらも読んでみたいと思います。
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プロフィール

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A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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