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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『少年探偵 海底の魔術師』 江戸川乱歩 (ポプラ文庫クラシック)

沈没船の引き上げにあたった潜水夫たち。 暗い海底で船体を調べていた彼らの目の前に飛び込んできたのは、ワニのようなしっぽを持つ鉄でできた怪物だった! ひょんなことから賢吉少年に託された鉄の小箱の秘密とは!? 地上にまではいあがり小箱をつけねらう怪物に、名探偵明智小五郎が挑む!


 鉄の人魚が沈没船のお宝をねらってやってきます。

 少年探偵団の団員は、だいたい帰り道に不思議な目に遭うようです。
 今回は賢吉君という少年が、鉄の小箱を男から託されるところから物語が始まるのです。






 小箱を狙う鉄の人魚にねらわれる賢吉君。
 小箱は明智探偵が造作もなく開けてしまい、沈没船の中に大金塊が眠っていることがわかります。そこで、賢吉君のお父さんや明智探偵は、その船のサルベージを行うことになるのです。

 これまでにない、海洋と海底が舞台の物語で、なかなか興奮するものがあります。
 サルベージを行っていると、鉄の人魚たちが金塊を狙って現れます。また魚形潜航艇を使って、サルベージを邪魔したりします。また、ダンダラ模様の怪人なども出てきて、海底ですさまじい闘争が繰り広げられるのです。

 さて、それに加えておばけガニも登場しますが、すぐにうすい金属かビニールでできているカニの衣装をかぶっているに違いないと推理されています。そんなことをする相手は、これまでの手口からすると一人しかいないのですが。さんざんカブトムシでやってますからね。

 サルベージについてきた賢吉君は、誘拐され、樽に詰め込まれて賊のアジトへ連れ去られてしまいます。しかし、明智探偵の変装術のおかげで、牢から解き放たれるのでした。
 そして、首領の正体がついに明かされます。やはり正体は怪人二十面相でした。

 最後には、カニの着ぐるみを着たまま逃走しようとしますが、警官たちとの格闘の末に、カニのぬけがらのそばで「息もたえだえに」よこたわってしまいます。この様子、想像してみるとなかなかシュールな感じですね。

 二十面相の奇人ぶりも面白いですが、海洋冒険ものとしても楽しいですので、まだ読んだことない人はぜひ。
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プロフィール

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A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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