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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『少年探偵 鉄塔王国の恐怖』 江戸川乱歩 (ポプラ文庫クラシック)

名探偵明智小五郎の優秀な助手、小林少年の目の前に、カラクリの箱を牽く奇妙な老人が現れた。 その数日後から、東京の夜の街に巨大なカブトムシが出没し始める。怪異の背後に見え隠れする怪人団、鉄塔王国の正体とは? とらわれの身となった少年を救うべく、小林少年が大活躍!


 ここまで読んできた中で、もっとも狂気を感じる作品となっています。

 背中に髑髏のような模様の付いた人より巨大なカブトムシが町中に現れる。
 なぜカブトムシなんだろうという?マークが最後まで僕の頭の中に浮かび続けていました。





 鉄塔王国なるものを日本の山奥に建国した男が、実業家に一千万円の寄付を要求します。
 鉄塔王国には子どもたちを集めて兵隊にして、近衛兵にするのだと息巻きます。カブトムシは鉄塔王国の守り神だそうです。

 なにを言っているのか、さっぱりわかりません
 いや、わからないから、すごく怖いんですけど。

 結局、実業家の息子の賢治君はさらわれてしまいますが、トランクに忍び込んでいた小林君によって救われます。少年探偵団諸君はトランクに隠れる回数が多いですね。僕も少年の頃、実家のカローラのトランクに隠れることをよく妄想したものです。

 その後、鉄塔王国の邪魔をしたことで、小林君はカブトムシの着ぐるみの中に閉じ込められて、丸ビルの中に放置されるという辱めを受けてしまいます。

 結局、賢治君はさらわれてしまいますが、再びトランクに忍び込んだ小林君は、ついに鉄塔王国を発見するのです。その中では、子どもたちがカブトムシの着ぐるみを着せられて、軍隊の特訓なるものを受けているのでした。鞭をふるって、子どもたちを脅す二十面相ですが、はたしてこんなことをする必要がどこにあるのかいっさいわかりません

 最終的に怪人二十面相は、鉄塔から数十メートルの高さを落ちていきます。
 「怪人二十面相の、あわれなさいごだったのです。」とありますが、どうせ、きっと彼は再び現れることになるでしょう。どうやって助かったのかは、たぶん謎のままに。

 とにかく、最後まで二十面相のおかしな妄想につきあわされる作品でありました。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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