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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『星の王子さま』 サン=テグジュペリ作 内藤濯訳

サハラ砂漠に不時着した飛行士と、〈ほんとうのこと〉しか知りたがらない星の王子さまとのふれあいを描いた、永遠の名作。純粋な子どもらしさや愛について、静かに語りかけます。初版本にもとづき改訂した新しいエディション。


 なんだか泣きそうな気分です。

 途中までは、愉快なのです。
 でも、最後はさびしくなるのです。
 それは、星の王子さまがいうように、王子さまとともに過ごした時間が、そのような気分にさせるのでしょう。





 サン=テグジュペリの作品を初めて読んだのは、『人間の土地』だったと思います。
 読むきっかけは、尊敬する宮崎駿監督がこの作品を好きで、本のカバーを担当していたからです。それに感激して、『星の王子さま』を新潮文庫版で読みました。今回は、それ以来の再読です。

 この本を読むと、「大人」っていったいなんなんだろうか、ということを考えてしまいます。
 自分自身、なにか大切なことを見失って生きているような気がしてなりません。
 読んでいる最中は愉快な気分でいっぱいですが、我に返ると大人になってしまったことに、なにか罪悪感を覚えている自分を感じます。

 なにはともあれ、この物語で何度も繰り返される言葉は、「かんじんなことは、目に見えない」ということです。最初は、キツネから伝えられるのですが、王子さまは何度もこの言葉を繰り返します。自分が置き去りにしてきた花のことを思いながら・・・・・・。

 そして、最後は肉体を砂漠に置いたまま去ってしまうのです。
 そのときの悲しみ、さびしさは言い表しようがありません。
 夜空を眺めるとき、僕は王子さまのことをときどき思い出すでしょう。あのたくさんの星の中に、美しい花と王子さま(とたぶん羊)がいる小さな星のことを。
 それだけで、人生に一つの小さな幸福を届けてくれる物語にこの一冊はなるのだと思います。

 本の紹介には、「永遠の名作」と記してありますが、それも納得のすてきな物語です。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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