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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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佐藤さとる『ファンタジーの世界』 (講談社現代新書)

人はだれでも幼い日々、空想にふけり、みずからを主人公として大いなる夢を見る。日本を代表するファンタジー『だれも知らない小さな国』は、著者の少年の日々の思い出が、コロボックルという小人を主人公とする物語として実を結んだものである。ファンタジーとは、現実にはありえない空想の世界を綿密な計算と完ぺきなルールをもとに、あたかもおこったかのようにリアルに描いた文学である。本書は、みずからの作家活動をふりかえりつつ、『不思議の国のアリス』など、内外の有名な作品を通して、ファンタジーの楽しさ、おもしろさをさぐった。(表紙より)


 幼いころに、コロボックルシリーズを夢中になって読みました。
 作者の佐藤さとるさんが、ファンタジーについて論じている本です。

 コロボックルシリーズがどうやって生まれたのか、その創作の過程、モチーフとなったもの、原話だったものの話など、シリーズの愛読者には楽しいお話が前半で楽しめます。何度も書き直して、物語を完成させていくお姿に、作家ってやっぱりすごいなあと感嘆しきりです。

 そして、ファンタジーとはなにかという定義やその創作方法などに話が移っていきます。
 メルヘンが、「信じられないと知りつつも聞く」タイプのに対し、ファンタジーは、「起ったかもしれないと思わせる」タイプであると論じられていて、「なるほど!」と読む間、ずっとうなずいていました。

 古今東西のすぐれたファンタジー作品も紹介されており、『不思議の国のアリス』や『ナルニア国物語』など、有名なものも紹介されているのですが、サトウハチローの『あべこべ玉』が僕には興味深かったです。この話は、兄妹が入れ替わってしまうというお話で、男女逆転物語というものは、昔からあるのだなあという思いと、読んでみたいなあという思いがわいてくるすてきな紹介になっています。

 児童文学に対する思いも書かれており、佐藤さとるさんの作品に触れたことがある人には、とても面白い本だと思います。
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『八月の金貨』 山中恒・作 松本大洋・絵 (あかね創作文学シリーズ)

1945年8月14日、敗戦の前日にタイムスリップしてしまった研治と信子は、少年時代の信子の父親に出会った。


 いじめ戦争宝探しタイムスリップ・・・。
 さまざまなものを内包した物語になっています。

 小学生のときに読んだ本を再読です。
 表紙は強烈に記憶があったのですが、挿画が松本大洋だったとは・・・。
 高校生のときに、「ピンポン」にはまって以来の松本大洋ファンですが、その前にすでに出会っていたのだなあと感慨深かったです。


ネタバレしてます。

『ズッコケ時間漂流記』作・那須正幹 絵・前川かずお (ズッコケ文庫)

四次元の空間を漂流して、江戸時代の世界にやってきたわれらがズッコケ三人組。はたしてそこにはどんな事件が?


 美人音楽教師にピアノを習おうというハチベエに付き合わされて音楽室にやってきたハカセ、モーちゃん。そこにあった鏡を突き抜けて行った先に行き着いたのは、江戸時代でした。

 今回はタイムスリップもののSFです。
 時間旅行ができるなら、一番会いたい人は誰でしょうか?
 今回は、三人組と平賀源内という歴史上の人物の出会いの物語です。


ネタバレしてます。

『神秘島物語』佐藤さとる文 原作J・ベルヌ 絵 生頼範義 澤田賢 (痛快 世界の冒険文学)

南北戦争下のアメリカ・リッチモンド市から、嵐の吹きあれる夜、気球に乗って脱出した5人の男たち。強風にもまれ、気球が流されたところは、絶海の無人島だった。もてる科学知識と行動力を駆使し、彼らの生きのびるためのたたかいがはじまった……。


 漂流の物語です。

 流れ着いた島で、さまざまな生きる知恵を出しながら、登場人物たちがサバイバルする物語です。南北戦争時代のアメリカ、しかも北軍の人々が、南軍から逃れるために、気球に乗って脱出し、ある島に流れ着きます。こう書くだけでも、ロマンにあふれていますよね!大尉・従軍記者・少年などのさまざまなメンバーの5人で、個々が力を発揮しながら生き延びていく姿に感動します。



ネタバレしてます。

『アーサー王物語』 阿刀田高・文 絵・加藤直之 (痛快 世界の冒険文学)

6世紀のイングランドに、理想の国ログレスがあった。この国を統べるのは強く気高い王アーサー。これは王を中心に、騎士たち、魔法使い、美女などが活躍する英雄たちの伝説である。王の伝説は現在も続いている。


 この年まで、アーサー王の伝説は、いろいろな文章でかじってはいて、断片は知っているものの、読んだことがありませんでした。読んでみると、とても興味深く面白い物語でした。

 小学生の頃にはまったゲームで、ゲームボーイの「SaGa」というシリーズがありました。そのゲームには、さまざまな武器が登場するのですが(レオパルドⅡという戦車や「かくばくだん」といういろんな意味で危ない武器もありました)、エクスカリバーという武器があり、これが最強の武器でした。それが、アーサー王の持ち物だとは知ってはいたものの、湖の姫より授かり、自らの傷を癒すなどの魔力があることまでは知りませんでした。RPG好きにはたまらない本じゃないでしょうか。


ネタバレしてます。

プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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