筒井康隆の幼年向け童話。ゴミの島に原子力発電所のゴミを間違えて捨ててしまったことで、「かいじゅうゴミイ」が誕生してしまった!表題作「かいじゅうゴミイのしゅうげき」の他「うちゅうをどんどんどこまでも」「赤ちゃんかいぶつベビラ!」を収録。
『筒井康隆全集』で読んだことはあったものの、『11ぴきのねこ』シリーズで有名な馬場のぼるさんのイラストつきで読むと、また違う味わいがあります。
放射能によって生物が巨大化するというゴジラなどと同じルートで生まれたかいじゅうゴミイ。ゴミを固めて恋人を作ったり、子どもを作ったりするところなどは、笑ってしまいましたし、全体的にほのぼのとしていながら、子ども向けであるのに皮肉がきいていてところどころピリッとしています。
「うちゅうをどんどんどこまでも」は、子どもに息抜きを与える物語で、これはこれで子どものためになるんだろうな、と思います。「赤ちゃんかいぶつベビラ」は、巨大化した無邪気な赤ちゃんの起こす騒動を描いた作品です。そういえば、「ジャイアントベビー」っていう映画が昔あったなあと思い出しました。
馬場のぼるのとぼけた味わいと筒井康隆のユーモアが噛み合わさった作品で、絵付きで読めて幸せでした。『11ぴきのねこ』シリーズも読みたくなりました。
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