民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。
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財産争いをめぐる悲喜劇「牛と刀」、夜の芝居小屋で起きる怪談「真夜中の舞台」、金もうけに取りつかれた男の運命「わるだくみ」など、笑いと悲哀がまざりあった世の姿を、鋭く描き出す7編。江戸時代の作家、井原西鶴の作品を読みやすく翻案。
いやあ、なかなか面白い。
夢中になってしまい、思わず一駅乗り過ごしてしまうくらいでした。
井原西鶴の作品を翻案したもので、構成されている短編集。
けっこう強烈なキャラクターの出てくる話が多く、どことなく話の感じが西日本的です。
東京風の洗練された漫才・コントよりも、関西系のアクや毒が強い傾向とでもいったらいいでしょうか。
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ネタバレしてます。
旅まわりの職人、家事手伝いの娘たちなど、庶民の口から口へ伝えられたドイツ語圏の民謡を紹介。子どもの暮らしにまつわる代表的なわらべうたを収録したドイツのマザーグース。
なかなか戸惑う内容の前半と愛と物語で面白く感じる後半、という印象でした。
ドイツの昔の庶民の生活感情が伝えられているということで、現代の日本の感覚を持っている僕には共感も憧れもできないような感じでした。
そして、戸惑う詩も多く、特に「おんどりちゃんとめんどりちゃんのこわい話」は印象に残ります。「おんどりちゃん」がくるみを喉につまらせて、「めんどりちゃん」が助けるために大わらわするのですが、結局「おんどりちゃん」は死んでしまいます。その亡骸をお墓に運んでいく途中できつねや狼やライオンなど、たくさんの動物を車に乗っけるのですが、その重みで車は沼に沈み込んでいき「そこが、そのままお墓になった。」という詩なのです。
どことなく、馬車に乗った人間全員が死んでしまう、横光利一の「蝿」を思い出すような不条理な話になっており、読んでびっくり、「ええ?」という感じでした。
第一部は「こどものうた、くらしのうた」、第二部が「さまざまな愛のうた、ものがたりのうた」となっており、第二部はロマンチックな恋愛の歌やメルヘンチックな詩も多く、こちらは素直に楽しめました。「内緒ばなし」などがよかったです。
各国の「わらべうた」に俄然興味が湧いてきました。
読んでカルチャーショックをまた受けてみたいですね。
好評クラシックホラー傑作選、フランス編。残酷な童話のような味わいのカリントンの表題作をはじめ、ペロー、ルブラン、メリメ、モーパッサン、シュペルヴィエルらによる、不気味で美しい短編15編。本邦初訳2編をふくむ、全編新訳。
面白かった!
フランスのホラー短編集。文豪の作品もあり、勉強にもなりました。
ネタバレしてます。
那須正幹、赤川次郎、三田村信行、川島誠、曽祢まさこなど、世界の終末を描いた短編を収録。
暗い未来をテーマにしたアンソロジー。
読んだあと、ずーんときます。
その重みに耐えられるかどうかが、この本を楽しめるかどうかの指標でしょう。
僕は・・・ちょっと辛かった・・・。
ネタバレしてます。
王朝貴族社会をなつかしみながら、中世の人事百般や鳥獣、虫、妖怪にまで筆がおよび、整然と分類された説話の百科事典ともいえる『古今著聞集』。「少年の教科書」として読みつがれ、簡明でおもしろい教訓の宝庫である『十訓抄』。そして『沙石集』は、狂言や落語にまで影響をあたえ、仏教書としてはめずらしく、笑いと人間味にあふれている。
子ども向けに平易な文で書かれていて、しかも語釈や語注が充実しているよい古典の本です。すべて現代語訳されていて、現代風にアレンジされているところもあり、子どもが古典に興味を抱く助けになる本だと思いました。
説話文学というのは、テレビでいえば「奇跡体験アンビリーバボー」みたいなものだと思うのです。こんなできごとがあったらしい!ということを民間に流布している話を再話するという意味では共通部分があると思います。
そういう意味で、よく外国の犯罪事件が取り上げられているように、『古今著聞集』にも犯罪の話があって、面白いです。特に女盗賊の登場する「美しい盗賊」はミステリー要素もあり、犯人の意外性といい、とても印象に残る話となっています。相撲取りに稽古をつけてあげる力持ちの女の人もいたり、魅力的な人物が説話集には多いですね。
『十訓抄』で印象に残るのは、強盗に家のものを取られたのに、強盗が落としていった盗品をわざわざ届けてあげる尼の話です。何度読んでもすごい性格してるなあと感心してしまいます。
こちらの本にも尼僧を首領とする盗賊が現れていて、面白いですね。
どの本にも人間味を感じるお坊さんたちがいて、現代よりも寺社というものが身近だったのだなあと感じます。子どもに教訓を説いたお話ということで、ユーモアたっぷりに描かれているものもあり、たいへん楽しめる一冊でした。