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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『古典がもっと好きになる』 田中貴子著 (岩波ジュニア新書)

学校で習う古文に興味がもてなくても、実は古典はおもしろい!オカルトあり、恋愛ありのわくわくの宝庫から、おなじみの作品をわかりやすい現代語訳で紹介。自称「古文おちこぼれ」だった国文学者が、奥深くて不思議な古典の世界の楽しみ方、文法にしばられない原文の読み方を案内します。


 多くの子どもたちが「苦手」意識を持っている古文。
 なぜ学校で学ぶ古文が難しくつまらないのか、というところから、この作品はこういうところが面白い、こういう作品もあるよ、と古典の面白さを伝えてくれる一冊です。

 文法偏重、教育的な内容でなければならない、という学校教科書でしか古典を知らない人への、古典の魅力発信の書となっていて、これも読みたいあれも読みたいという気にさせてくれます。

 具体的には『徒然草』『百人一首』『堤中納言物語』『土佐日記』『しんとく丸』『能・狂言』という作品を紹介してくれています。

 『徒然草』では、「京に鬼になった女がやってきた!」という噂話に振り回される兼好や京の人々の様子が描かれていて、面白い。強烈なオチがついている『花桜折る少将』も、笑える部分が多々ありそうでいい。

 一番惹かれたのは、「説教」の章です。好きな森鴎外の「山椒大夫」は説教の作品の翻案だと読んでびっくりしました。貴種流離譚の物語「しんとく丸」は筋を読むだけでも面白い。また、近藤ようこのマンガ『説教 小栗判官』も「これは面白い!」と思った記憶があるので、ぜひ説教は読んでみたいものです。観音様が大きな役割を持って登場するのですが、この観音様の行うことがよくでたり、悪くでたりしてとても興味深いです。

 古文を敬遠している人にぜひ読んでほしい本でした。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
40
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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