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ふしぎ図書室

民話や伝承、ファンタジーやSF、児童文学や漫画など、「すこしふしぎなおはなし」に惹かれるおじさんのつぶやき。

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『少年探偵 大金塊』 江戸川乱歩 (ポプラ文庫クラシック)

東京郊外に建つ宮瀬家の洋館で起きた、大胆不敵な強盗事件。賊の狙いは、同家に伝わる巨額の埋蔵金の隠し場所を示す暗号文書だった。捜査に乗りだした名探偵明智と怪盗一味の手に汗にぎる攻防戦。敵のアジトに誘拐された小林少年の大活躍。命がけの大冒険の結末やいかに。


 宝探しの物語。ワクワクします。

 前半は謎の犯罪集団との暗号文をめぐる攻防。
 後半は暗号文の謎の解明と宝を探す冒険、となっています。





 今回は二十面相はでてきません。
 しかし、物語としては、もはや彼が出てこないほうが筋が新鮮です。
 毎回、同じ悪役との対決も飽きてしまうものです。

 長靴とピストルの模型を使ったトリックやソファの中に人を収納しての誘拐など、今回もその古典的探偵小説らしさがすてきです。
 上にも書きましたが、今回は敵役が二十面相ではなく、どのような相手なのかを小林少年が探るところもスリリングです。特に敵の首領が美人の女性であるところなど、今までのシリーズにはないところです。

 後半の暗号文の解読などは、怪盗アルセーヌ・ルパンシリーズを思わせるような宝探しもので、これまたドキドキしてしまいます。テンションが上がり、ちょっと調子に乗りがちの少年二人(目上の人には敬意を払いなさい!)は冒険に次ぐ冒険を体験します。しかし、とにかく乱歩が好きなのか、本シリーズでは少年を水攻めにしてしまうシーンがとにかく多い。連続して読んでいると「またか。」と思わずつぶやきたくなってきます。もちろん、本話でも、少年二人は洞窟の中で溺れそうな目に遭ってしまいます。

 埋蔵金伝説は、現代でも人の心を躍らせるに十分な魅力を備えています。
 そういった宝探しの純粋な楽しみを久々に思い出させてくれる好きな作品です。
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プロフィール

HN:
A・T
年齢:
41
性別:
男性
誕生日:
1983/08/31
自己紹介:
ジブリとSFと児童文学とマンガが三度の飯より大好きなおじさん。

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